2014年8月24日日曜日

#055 いくつになっても


父が齢70にして新しく事務所を開いた。

長年の夢だったらしい。

兄も同じ職業であることから、ゆくゆく独立を考えている兄の為でもあったと思う。

でも、何十年と公務員として仕事をしてきて、リタイアした後も半官半民のような仕事をして、

そして今、新しい肩書きで仕事を始めて夢を叶えている。


娘の私から見たら、どちらかといえば無口で愛想も良くはなく、仕事人間の堅物というイメージ。

いかにも公務員にふさわしいと、勝手に思っていた。

父も自分の性分をわかっていて、公務員という選択肢を選んでいたようだ。

でも、ずっとやりたい仕事があって、夢を温めてきたということは、全く知らなかった。

事務所を開くにあたっていろいろと準備を手伝っていた母や兄いわく、

やりたかったことをやれることになって、今、とてもイキイキしているという。

喜ばしいことだし、私も嬉しい。

でも何よりもその心意気が、素晴らしいと思った。


最初は赤字経営だろうし、どこまで続くか分からないけれど、

儲けるのではなくて「人を助けたい」という気持ちで、仕事をしたい。

そんなことを考えている父を、とても誇らしく思う。