気に入ったものは気が済むまで試すという癖がある。
これは美味しい!と思ったメニューがあれば
その店では気が済むまで毎回そのメニューを頼む。
たまに違うものを頼んでも、やっぱりそのメニューに戻る。
これは気に入った!と思った服があれば
擦り切れたり穴があくまでその服はヘビーローテーションする。
場合によっては繕って修理してまで使いたおす。
この曲好きだ!と思えば
iTunesのレートは☆☆☆☆☆にして何十回でも聞きまくる。
流行や有名無名なんか、一切関係ない。
人間関係でも、その傾向がある。
友人でも、恋愛でも、一度自分が気に入ったと思ったら
気が済むまで、あるいはその関係に亀裂が入るまで、
お気に入りのポジションが変わることはない。
昔は、若気の至りで、お気に入りのあまり多少粘着質になったこともあるけど
さすがに今はそんなこともなくなった。
むしろ、お気に入りなのにも関わらずフラットな感じなので
相手に「お気に入り」と認識してもらえないこともちょくちょくある。
お気に入りだと声高に言うこともあるけれど
自分の胸の中におさめてるだけのこともあって
いくら気に入ってるからって
相手に対してその感情を押し付けたくないと思ってしまうから。
何事も、気に入ったものは気が済むまで堪能するのが、好きみたい。
そのかわり、お気に入りじゃなくなったときのクールな態度は
自分でもびっくりするくらい。
お気に入りを解除するときの葛藤は激しいけれども、
両方あわせて、生の自分だなと思う。
私には、天使の羽根をもいだらここに跡が残るだろうという場所に、
2か所、手術痕がある。
背中の左右両方にあるこの傷は、人に見せるのも恥ずかしいような醜い傷。
だから夏でもキャミソールなどは着ないように控えてた。
でも、自分の傷跡のほうがひどいよって
火傷ややんちゃの跡を見せてくれた人もいた。
傷跡をそっと指先で押さえてくれた人もいた。
昨日、この冬初めて、この背中の古傷が疼いた。
寒いからだけじゃないと、思った。
痛いのは、背中の傷だけじゃないような気がした。
甘くて、苦い思い出。