正解は、活字鋳造機です。
読んで字のごとく、活字を鋳造する機械。
カタチャキ、カタチャキ、と規則正しく乾いた金属音が続く。
ちょっぴり、ハウルの城っぽい。
活版印刷は、DTPの発達したこの世の中に残っている、昔ながらの印刷技術。
凹凸のある印字は、金属から生み出す紙への道しるべだ。
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を読んだ人なら、ジョバンニを知っているだろう。
ジョバンニのお小遣い稼ぎの手段は、活字を拾うこと。
数ミリ×数ミリの鉛でできた活字を拾うのは職人技。
私もチャレンジさせてもらいました。
15分、目を皿にして、目が乾くほど瞬きし忘れて、やっと拾えたのがこれ。
ちなみに、今Facebookのカバー写真にしているのは、この文選している(=活字を拾っている)ときに活字を入れていく箱の山。
活版って、やっぱり味があると思う。
廃れないで、長く残ればいいのに、と思う。
活版技術自体は、多くはないだろうけれど職人さんがいてくれるおかげで
なんとか残っているけど、話を聞くと、例えば活字をつくる鋳造機のメンテをやってくれる人、
直し方を知っている人が、どんどんいなくなってしまっているらしい。
もったいない話だ。
もっと細かい話でいうと、活字を組むにあたって、文字間を調整する
微妙な厚さの金属片があるんだけれど、それには特殊な加工がしてあるらしいのだが、
もはやその加工を施した金属片を作る職人さんがいないそうだ。
もったいなすぎる。私がその職人さんになりたい。
今や一家に一台どころか、一人一台くらいまで普及しているパソコンに慣れていると、
文字を打つのも簡単だし、それを出力するのもものすごく簡単。
こうやって、手間ヒマかけて刷ったものは、文字の重みが、文の重みが、違う気がしてくる。
一文字入魂、というのかな。
去年も作った活版の年賀状、今年も作ります。
プライベートの名刺も、作ります。
友人が4代目修行中の佐々木活字店で、作ります。
佐々木活字店
http://sasaki-katsuji.com/
鋳造見学会もやっているので、興味のある方はぜひ。
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