2015年2月24日火曜日

#063 福岡レポート 2日目 前編


福岡2日目、7時半起床。

なんでこんなに早く起きたかというと、Aさんからのお誘いに軽い気持ちで乗ってしまったから(笑)


篠栗(ささぐり)というのは、福岡市内から電車で20分ほどの場所だけれど、

エリア的には、言ってみれば山のほうのローカルエリア。

でも実は篠栗は弘法大師の所縁の地で、八十八カ所の札所があってお遍路ができるようになっている。

Aさんは、10日ほどのこの滞在期間中にお遍路巡りを始めていた。

始めたというのは聞いていたけれど、どうやらものすごいハイペースで回っていると知ったのは数日後。

何かにとり憑かれたように粛々と回っていたらしい(笑)


私が到着した日には既にほぼ回り終わっていて、私の福岡滞在2日目のこの日がフィニッシュだという。

Mくんとわたしはこの最後のお遍路めぐりに同伴したわけなんです。

Mくんは、前日も一緒に回ったらしいんだけど、私は、ほんとに、軽い気持ちで。

「え~。疲れるのやだー。でも今日ゴールかぁ。じゃあ、見届け人として私も行きますよぉ」


そこから始まった、見届けめぐり。

篠栗駅から、歩き始める。

うんうん。坂道とかあるけど、まだまだ大丈夫。舗装されてる道だし。

ご機嫌で口数も多く、調子よく足を運ぶ。

山に向かって舗装道路を上がっていって、最初の札所はどこかな~なんて思っていたら、でてきたのは陶花の看板。

あ、陶花に向かってるのね。

初めてその日のコースを理解する。

脇道を高台に向けて上っていき、そして、いざ、目のあたりにしたのがこちら。



モダンな箱!

これが噂の・・・!と思いながら、脇の階段を上がっていく。



壁一面の大きな窓が特徴的な、こじんまりして、シンプルな、気持ちの良いお店でした。

そこで初めて店主の健吾さんに会う。

Tくんからチラホラ話は聞いていたけれど、第一印象は「とっても気持ちの良い人」でした。

気さくで、親切で、朗らかで。


ご挨拶してまもなく、出発。

途中までは車も使うと言う話だったので、あ~これなら体力のない私もだいじょうぶかも。

と思ったものです。

だって、最悪足引っ張るくらいなら、車で待ってればいいもんね。

でもね、途中で”ピンクロード”というのがあるという。

車も通れない山道らしい。

その情報に、戦々恐々としたわよ、こっそりと。

ただでさえ運動不足なところに体力が落ちていて、

階段上がるのもしんどいっていうのに、大丈夫か?とまたもや自問自答してみたよ。

まぁでもとりあえず、、と思って見届け始めたわけなんです。




Aさんが本堂でお参りをして、納経所でご朱印をもらう。




その間5分くらいは、私とMくんは自由行動。

後ろで一緒に手を合わせたり、遠くの景色を眺めたり、写真を撮ってみたり。





車で行けるところは順当に回った後、流れでそのままピンクロードに突入することに。

(この時、AさんはMくんに、このまま歩いちゃおうよ、いいよね?いいよね?って言ってたらしい笑)

わかりますよ、私にもその気持ち。

だって車で楽して回るのって、本当のお遍路さんとは違うんだろうし、苦労をして回ることに意味があったりもするんだろうし、そもそもそれまではちゃんと歩いてたんだろうし。

最後の日に、ちゃんと自分の足で回れるところは回りたいという思いは、ちゃんと伝わりました。

いざ、森の中へ足を踏み入れん!



今思えば、ラッキーな要素はいくつかあった。

流れでピンクロードに来たので、完全に手ぶらで身軽であったこと。

わりと負けず嫌いな部分もあるので、AさんとMくんのペースを乱したくないと思ったこと。

(当たり前だけれど)連れがいたこと。

そして、一番大きいのは、今からどういう道が待っているか、全く予備知識がなかったこと。



あのね。



結構しんどかったの(笑)



なぜなら、見届けめぐりをすることを想定していなかったので

前日にたまたま買った革のスニーカー(ソールはゴム底だけど)だったし、

何より、着ていたのは脛くらいの長さのロングコート。

階段を上るにしても、舗装されていない登り道を歩くにしても、足元がもたつくので

片手は常にコートの裾を持ち上げているという苦行。

途中、拾った杖を片手に、グレーのフード付きコートをはためかせながら登る私を見て

すれ違った人たちは少なからず訝しく思ったんじゃないかな。


基本、目的地は登り道なので、途中だいぶ無言になりました。

自分のゼーハーいう呼吸音しか聞こえない感じ。

ちょっと平らになったら、すぐ軽口を叩いたりしてたんだけど、

私がしゃべるか黙るかで、しんどいかそうじゃないかのバロメーターになったと思う。


でもね、結構頑張ったんですよ、わたし。

ちょっと途中で遊んでしまいましたが。


杖もってロングコートでフードをかぶると、”森に住む幻の仙人”的なオーラが間違いなく出てた。

ロード・オブ・ザ・リングのガンダルフか、


スター・ウォーズのヨーダのイメージ。



旅人を惑わせてみたり


岩をフォースか魔法で持ち上げてみたり



こんなことして気を紛らわながら登り続けたわけなんです。

最終的には、ガンダルフでもヨーダでもなくなって、Aさんにこう呼ばれました。



そんなこともしながら、途中で、おふざけの奇跡ではなく、自然の奇跡にも遭遇。


どうしたらこうなるの? 何があったの??

それはそれは立派な夫婦杉もありました。


根っこの部分は近いけど、育つにつれて少しずつ離れてるのがちょっぴり気になったけど。

途中の休憩小屋では、為になるお言葉にも出会いました。



40代は強く、ですって。頑張ろう私。


そして、いよいよ、クライマックスへ。

八十八ヶ所を無事に巡り終わったあと、御礼参りをする奥の院へ。

途中、はさみ岩という難所も通って


無事に辿り着きました、奥の院。




Aさん、御疲れ様でした。ほんとに。

Mくんも、御疲れ様でした。無事に見届けられましたな。

最後の数か所をただ便乗して同行しただけだけれど、なんだかものすごい達成感があった。



帰りは、早かった。

若干小走りになりながら、山道を下っていく。

Mくんに言われて、急な坂道をうっかり2歩くらいほんとに走りそうになる。


危うくおむすびと化すところだった。危険極まりない。


無事に山を下りた後は、再び陶花へ。

お腹が空いたときには、茶色い料理が私を元気づけてくれる。



ここのカレー、Tくんもオススメしてくれたんだけど、すっごく美味しい!!!

甘味があるけどスパイシーで、ほんとにカレーは飲物だなと思う美味しさだった。



そんなこんなで、2日目は、お遍路さんに同行してゴールを見届けるという、滅多にできない体験をする。

東京を出発した時には、まさかこんな体験ができるとは思いもよらなかった。

実際に八十八カ所を回りきったAさんの健脚っぷりには心から脱帽です。


#064 福岡レポート 2日目 後編 へ続く。

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